コペンハーゲンの夜は更けて

Kongens



初日、コペンハーゲンに到着してから、
今晩8時までの数時間が非常に忙しくなりそうだった。
毎度のように、軽くストロイエの店を流してチェックしてから、
今回は西の方にあるフレデリクスベア地区のレストラン
マイヤーズ・デリ」へと向かった。
デリというと気軽な店を想像できるが、こちらもその通り、
いかにも店内は適度なリラックスモードになれる雰囲気。
しか〜しっ、味のほうはというと、これが予想外に本格的で驚いた。
北欧での食事情をご存知の方なら既にご承知のことと思うが、
北欧では滅多に旨いものを口にする機会がない(ワシだけかもしれない?)、
注文した仔牛のローストの焼き加減はもちろんソースに、
思わず「まいう〜」の連発でエキサイトしてしまいましたなぁ。
価格も良心的、またグラスワインの量は東京の3倍くらいと、これまた二重丸!
でも、このおかげで、後でツケが回ってくることに。
カミさんと内輪で勝手に盛り上がりつつ、初日から美味しい食事が出来たことに感謝。


腹ごしらえができたところで、急いで本日のメイン・イベント、
念願のジャズ・ナイトへ突入した。
おととし2005年より念願だったコペンハーゲン・ジャズハウスへ潜入。
前身は、ヨーロッパでも有名だったカフェ・モンマルトルで、
ビル・エヴァンスのライブ・レコーディングが名盤で
あることでも有名な正統派のジャズ・クラブである。
事前にチケット、時間などメールでチェックしていたので入場はスムーズ。
入場の際に手の甲にオリジナル・スタンプを押されてしまったが、
これはよくある、クラブ(踊るほうの)入場の時の儀式
みたいなものだが、なんだかジャズクラブには不似合いですな。
まぁ、チケットなど発行していないのでしょうがないという気もするね。


階下へ降りて行くと、もの凄く雰囲気の良い空間が目の前に
(と言っても、2年前に既にチェックしていたが)。
天井にはシャンデリア、テーブルにはキャンドルのみという
照明の使い方がいかにも北欧的な印象がしたぞ。
で、まずアメリカン・ダイナー的ドリンクカウンターで飲み物をオーダーし、
いざハブ・ア・シート。しか〜し、あまりにも暗くてなかなか目になじむまでが大変だ。



出演は、女性ベーシスト、アン・メッテ・イベルセンのカルテット。


今回、プレイヤーは問わず、この素晴らしい空間での音響に興味があった。
正統派ジャズのスタイルから奏でられるサウンドに注目していった訳だが、
緩くテンションを多用した曲調のせいか、先ほど飲んだワインが旅の疲れとともに効いてきて、
いつの間にか水のみ鳥の如く「かっくん」きてしまって、とうとうカミさんに促されることに。
ん〜、流石のワシも今日は厳しい状況と実感してしまい、これから暫し体力、気力との闘い、
そしてまさにミュージシャン達のサウンドに立ち向かうしかなかった訳で。


音の聞こえ方に関しては、ライブ・スペースの中央ほどではバランスが良いが、
各席まで届く音が少し遠いなぁと感じてしまった。これは、ドアを開け放していることが
原因の一つと考えられるが、できればステージに近い場所で聞くのが、臨場感を
ダイレクトに味わえることができるので、まぁベストなのではないかと思うね。


40分ほどの1stセットが終わり、クラブなので当然2セット以上あるが、もう睡魔で限界だった。
ここはストロイエから近いながらも、あまり人の気配もないが、雰囲気だけはなかなかですな。
ほとんど人影がないストロイエをコンゲンス・ニュートゥまで歩き、開通したばかりだが、
わりかし汚れている車内のメトロでホテルへと戻ったが、なんだか妙に寝つきが悪くて、
翌日は眼が開かなくて困ってしまった訳で。


Copenhagen Jazz House photo stream