Marunouchi 丸の内界隈

Cotton Club  8.31.06



またまた、Cotton Clubでのギグを聴きに行った。
明日から始まる「東京JAZZ 2006」
東京国際フォーラムで開催)を記念して、
今週は丸の内ジャズサーキットと題する特別週間。
この日は「Australian Jazz Night」でした。
オーストラリアの音楽界事情は、オペラハウスがあるので、
特にクラシックの世界ではそれなりに認知度があるのだろうと
想像できるが、ジャズ事情に関しては全くわからないので、
「ジャズ不毛の地」ぐらいの認識だった。


というわけで、どういう演奏になるかと思ったが、
これが予想どおりというか、かなりお国のオリジナリティがあって良かった。
編成はフロントが3ホーン(+ディジリデュ)、ギター、ベース、ドラム。
曲のフォームはサン・ラ、オーネット・コールマンが演っていたような
コズミック的だったり、初期のフリージャズ要素の詰まった感じで、
曲のモティーフ、リフは割とわかりやすく随所に散りばめられていた。
有名なエアーズ・ロックの周辺をイメージさせる(行ったことはないが)
チューンやおそらくオーストラリアのルーツ的なリズムを採用し
不思議な感覚にとらわれた曲。そして一番オーストラリアらしさがあるのが、
やはりディジリデュをフィーチャーした曲だった。
ワシも以前吹いたことがあるが、この楽器は肺活量はもちろんだが、
基本的にはノン・ブレス(循環呼吸)奏法で演奏すると、
楽器の演奏効果が高まるので、それなりの熟練が必要である。
また唇を振動させブロウしながら、声を混ぜて音色を
自在に変化させたり、音域も替えることができる
独特の演奏方法があるので独学はなかなか難しいだろう。


今回はトロンボーニストが持ち替えで演奏していたが、
やはりノン・ブレス奏法が大変そうに見え、酸欠でくらくら
してしまうのではと思ったが、そこはプロなので素晴らしく、
すぐにまたトロンボーンに持ち替えて気持ち良さそうに演奏していた。


バンドとしては、ドラムが色付けをする役割をしていたし、
実際にかなりグルーヴして引っ張っていたと思うなぁ。
難を言えば、周りのメンバーを見る視線がねちっこ過ぎて如何なものか(笑)。
このバンドに限って、ひとつの言葉で表現するとなると、
「ごった煮ジャズ」というキーワードがぴったりだろう。
土着的なエッセンスから、モダンなテイストまでカバーしているジャズだ。
演奏も基本はしっかりしているし、いろんなフレーバーも
取り入れた曲があり、しっかりと独自の道を歩んでいるなぁと思った。


当たり前だが、国、地域の数だけ音楽の形態はさまざま
だということがよくわかり、とても収穫の多い一日になった。
東京JAZZ2006に日豪混合のジャズ・オーケストラで出演の模様。


ちなみに、無料のライブ・デイでかつ、なんと正面奥のボックス席で、
いつもとは違うサウンドバランスで聴くことができラッキーな気分でしたな。
この日は、直前まで丸ビル・マルキューブでノルウェーのduo(Pf & Tuba)を聴いていた。
本当はこの後の、トロンハイム・ジャズ・オーケストラを聴きたかったのだが
時間の都合で無理だった。東京JAZZに出演予定。