創造の遺産とは―イームズの作品展

The work of Eames



目黒美術館で始まった、イームズ展。
目黒通りインテリア祭り(通称MIST)の
タイアップで期間中(既に終了)は
ワンコイン(半額500円)で見られるというので、
早速覗きに行った。
自身、イームズの作品に明るくはないが、
誰もが知る、あの椅子がどうやって作られて
いるのかには多少興味があった。


1Fはバイオグラフィが見られる。
そして、2Fが彼らの作品を展示している。
さて、これからゆっくり拝見するかと
思っていた矢先、大きく揺れた、建物が。
地震だ!」
あわてて展示室から出た。エレベーターのドアが開き、警告音が鳴っている。
結構揺れたなあと思ったが、震度3との案内だった(実際は震度4だった)
そういえば、7月に大きな地震があったときも外だったな。
あのときはさすがに、家路を急いだものだ。


第一の部屋では、いわゆるイームズハウスの模型や収納ユニット、
書簡などに加えて、諸国を旅行時に買い集めた民芸品の数々が見られる。
そして、もう一方の部屋では椅子やソファなど有名な作品群、
誰もが知る、シェルチェア(スタッキングチェア)が出来上がるまでの映像が、
実際にその椅子に座りながら鑑賞できる。
ハンドメイドで作られてゆく様子が、現代音楽調の曲にのって、
数分でまとめられた映像を通して分かるようになっている。
これが一番の見どころと言ってもいいのかもしれない。
来訪者のほぼ全員がじっと見入っていたね。


そして、映像作品が2F展示の最後だ。
パワーズ・オブ・テン」。この作品は意外にも斬新で面白かった。
10分ほどのショートフィルムだが、まず視点が面白い。
そして、撮影技術の面で当時としては画期的で凄いことを
やっているのではないかと思ったね。


1Fに降りると、なのやら雑音がする。
どうやら木製椅子の強度をテストする器具のようだ。
床に置いてあるボタンを踏むと円形の器具が回り始め、
この中に入っている椅子が「ガタンゴトン」と音を立てながら回転していく。
これが強度のテストということだ。思わず何度も回してしまった(うるさいね)。
その様子はまるで、玉が出ないガラガラ福引機
(『荒井式回転式福引機』と呼ぶそうだ)のようだったな。


あまり知識はなくても、それなりに楽しめる展示で良かった。