Jukka Eskola Quintet Live at Finland Cafe

Jukka Eskola

Oct.30,2005


フィンランド政府観光局主催イベント、
Finland Cafe(中目黒スペースフォース)で
Jukka Eskola Quintetのギグを聴いた。


メンバーが現れるやいなや拍手で迎えられ、
すぐさま、演奏開始。
一曲目はベースリフから始まる「KULO」。
テンポはアルバムと比較するとやや速め。
緊張感のある雰囲気の中で始まったが、
メンバーはそれを楽しんでいるかのようだ。


バンドのサウンドのキーマンは明らかに
フェンダーローズのJukkis Uotila(本職はドラム。教授)。
そして、ドラムのTeppo'Teddy Rok'Mäkynen。
彼がアルバム・プロデューサーだ。
どの曲でも、特にフロントの二人(tp&sax)のソロになると
JukkisとTeppoがアイコンタクトで何かしらのアプローチを
仕掛けているところが興味深い。時にはソロイストを煽ったり、
逆に煽られたりして、そのインタープレイが良かった。


全体的にはテンポは多少速めで突っ込んだ感じの演奏。
構成はほぼアルバムに忠実で、曲によってはリズムアレンジがかなりされていた。
演奏曲の中でも、12インチでもリリースされている、
「Buttercup」、「1974」では特に拍手が多く、反応が良かったのではないかと思うね。
個人的には、TIMBER UP がアルバムと違う雰囲気が出ていて気に入った。
フェンダーローズのコード音の積み方がアルバムとは違うことが大きな要因でしょう。
後半、saxとdrだけでインタープレイをする部分への持って行き方が素晴らしかった。
ま、saxがサイン出していたんだけどね。これぞ、ライブならではという構成だったで満足。
また、カヴァー曲がジョージ・デュークというところが渋い選曲ね。
やはり70年代のクロスオーヴァー的なテイストが好きなグループ
だということを改めて認識できた。
アンコールのNaimaは「1974」のようなラテンのリズムアレンジで、
原曲の厳粛な感じと全く違う意図。
個々にスポットが当たるソロというソロは殆んどなく、
ヴァンプを挟みながら、テーマのバリエーションで膨らませていく構成。
もし、コルトレーンが聴いたら、どう思うのだろか思いながら聴く。
PAに関しては、壁がコンクリートの打ちっぱなしで、
難しいだろうと思ったが、ベース音が回っていた以外は
バランス良く、聴きやすかったと思う。


演奏曲数はアンコール含め7曲だったが、1曲が長い(10分ほどある曲もあり)
ので、物足りないという印象はなかった。演奏時間は80分を超えていたと思う。


とりあえず、メンバーの感想を。全員と少し話しをさせてもらった。
ついでにサインも頂いた。

■Jukka Eskola(tp&flh)
トランペットでもサウンドがとても柔らかい、ウォーム・トーン。
楽器とマウスピースとのセッティングだと思う。
またトランペットは改造モデルで部分的に抵抗が施してあった。
彼の人となりを表すかのようなストレートな音色がグループのサウンドにマッチしており、
とても良かった。それにしても、ハバード好きなのね。
見た目より男気のあるプレイ・スタイル。
MCは淡々とした進行で無駄が無く、いい声だ。
画像の通り、いかにも北欧人らしい金髪のナイス・ガイ。


■Timo Lassy(t.sax)
やはりプレイが熱かった。そしてテクニシャンだ。
185cmはあろう長身から振り絞るトーンは一瞬コルトレーンを彷彿させた。
The Five Corners Quintetでは、Jukkaとフロントを組んでいるため、
息の合ったホーン・アンサンブルが心地よい。
特に、TIMBER UPでのソロが抜群に説得力があり、最高だった。
顔が誰かに似ているなぁ。


■Antti Lötjöstä(b)
堅実なプレイが目立ち、リズムのボトムを支えた。あれ〜、髪が短い。
The Five Corners QuintetIlmiliekki Quartet
参加(ビョークRadioheadの曲も収録)。
一番の若手。これからが楽しみなプレイヤーです。Kiitos!
★ILMILIEKKI QUARTET: MARCH OF THE ALPHA MALES (TUM CD 005)

March of the Alpha Males
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Ilmiliekki Quartet
Tum (2004/01/12)


■Jukkis Uotila(Fender Rhodes)
本職はドラマーであるようだが、鍵盤も同じくらい名手。
ランディ・ブレッカー(そういや、以前会ったことがある)も大推薦。
ハービー・ハンコックのようだと言っていたが、
間の取り方、ハーモニー、フレーズなど、まさにそうだった。
玄人受けするそのプレイには、つい聴き入ってしまった。
ソロイストのプレイに過敏に反応するところが好きだ。
彼がソロの時、JukkaとTimoがじっと見て、聴き入っていたのが印象的だった。
ま、世代的にも一回りは上ですし、なんたって教授ですから。
穏やかな口調で応じてくれました。
★Jukkis Uotila/Hunters and Gatherers

Hunters & Gatherers
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Jukkis Uotila
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ドラマーでのリーダーアルバム。Dave Liebman、Jarmo Savolainen参加。
凄まじい勢いのドラミングで、デブリーとのコンビネーションが素晴らし也。
★Jukkis Uotila/Meninas

こちらが、ピアニストでのアルバム。
ランディ・ブレッカー大推薦。
ピアノアルバムリリースは念願の夢がかなったと自身話してます。
ハンコックの影響が随所に。このテイストがお気に入り。

True Image
True Image
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Jarmo Savolainen
Challenge (1996/06/13)

「Hunters and Gatherers」で共演のJarmo Savolainen(P)のアルバム。
自由奔放なプレイが素晴らしい。
UMO Jazz Orchestraにも参加。


■Teppo'Teddy Rok'Mäkynen(dr)
実質的にバンド・リーダーでしょう。
リズム・アレンジが素晴らしく、自由奔放かつ隙のないドラミング。
どちらかというとアフタービートたっぷりのルースなタイプの
ドラマーだと思うが、このグループには非常にマッチしている。
Jukkisとのアイコンタクトの賜物でグループのサウンド
自在に変貌していた。プロデューサー。
話をしても、とてもノリのよい方でした。



Music of Olavi Virta
Music of Olavi Virta
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Jukka & Hurmio Orc Perko
Blue Note

このアルバムにも参加していたので、サインをゲット。
向かって右端がTeppoだが、それにしても同じ人には見えない。
坊主だからかなぁ。フィンランド初のブルーノート・レーベルと契約したグループ。
PV映像で、若かりし日のTeppoの様子が拝見できるのが興味深いね。


<セットリスト>Oct.30.2005
1.KULO
2.BUTTERCUP
3.TIMBER UP
4.1974
5.George Duke カヴァー
6.DUUDAMDEJ

7.NAIMA(John Coltrane


■Jukka Eskola

Jukka Eskola
Jukka Eskola
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Free Agent (2005/10/03)

祝!来日。Jukka Eskola
二代目はつら・・くないらしい。マイヤイソラ展&ジャズライブ - フード、コーでねぇと4~北欧女、まだまだ旅立つ


朗報!
来年、2月にBlue Note TOKYOにおいて、
The Five Corners Quintetとして来日(Jukkis Uotila除く)が決定。
また、再会することを誓いましたが、今回のようにはなかなか話しはできないでしょうな。
フィンランドに帰国したら、早速Tampere Jazz Happeningに出演するようです。
・Tampere Jazz Happening Gallery 2005

また、その10日後にはヘルシンキでのギグもあり。多忙な方々です。


チェイシン・ザ・ジャズ・ゴーン・バイ
ファイブ・コーナーズ・クインテット
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おすすめ度の平均: 4.8
5 イマ旬!!!
5 継承されていくJazz
4 いわゆる北欧系クラブジャズの2005年時点の最新モード

Jukkaに尋ねてみたところ、ジャケットの建物は、
ヘルシンキの西側に位置する都市、ESPOOにあるCultural Centreということが判明。
敷地内にはタワーなどもある、複合施設ですね。
フィンランドでは有名な建築物のようです。
一見の価値あるなぁ。