おや、意外!こんなところにも・・・Rad.ミニライブ

Rad.1st album



只今、来日中のアーティスト、Rad.
東京は、コットン・クラブでやっているとの
情報をキャッチしていたが、なんと、なんと、
無料インストアライヴがあるということで
日本橋のコレド内のセレンディピティへ。


rad.名義でのギグは今回が初ですが、
名前は知らなくても、最近ではプリンス&N.P.Gや
シーラ・Eの来日ツアーに参加していたので、
お顔や卓越したキーボード・プレイを拝見、拝聴
したことがある方もいらっしゃるかもしれないっすね。
で、このRad.こと、Rose Ann Dimalanta。
アメリカはカリフォルニア州オークランド出身の
フィリピン系アメリカ人で、4歳からピアノを始め、
初期ジャズ・ジャイアンツの一人でもあるエロール・ガーナー
ビル・エバンスに影響を受けたということです。


ここで、音楽の世界でアメリカ西海岸、ベイエリアと言えば、
まず、わかりやすいところで、ヒューイ・ルイスですよね(えっ、やや違うって?)。
そして、次にヒューイとも交流のあるファンク界の良心、タワー・オブ・パワーですね。
というわけで、当然のことながらTOPとは2枚目のアルバム「gotta be」で
共演を果たしていました。おそらく、西海岸特有の多民族の環境によって、
ラテン、ソウル、ファンク、ヒップホップなどの音楽シーンの影響を
じかに受けてきたと思われますね。


説明はこれぐらいにして、30分というミニライブの感想ですが、
rad.が登場。おっ、すごく小柄だ。彼女の前にはヤマハのキーボード(モチーフ)が一台。
あの、ファンキーなプレイも封印されてしまうのかなと思っていたら、
いきなり、敬愛しているダニー・ハサウェイ・ヴァージョンのイントロで
「ソング・フォー・ユー」をプレイし始めたではないか。
まるで、ダニーのアルバムをほうふつさせるような厳かな始まり方だったが、
みるみるうちに彼女の世界観が聴衆を圧倒しましたな。
もろゴスペル・フィーリングの歌い方と絶妙の間の取り方をした
ピアノ・プレイが涙するほど素晴らしかったねぇ。
これ一曲でつかみはOK。そして、往年のヒット曲、といっても93年頃だが、
弾き語りヴァージョン、「gotta be」をルースな感じで始めた。
rad.サウンドの要ともいえる、フェンダー・ローズ、クラヴィでのリズミックなプレイが
ここでも縦横無尽に炸裂していた。これだけプレイのポケットがあるということは
数多くのクオリティの高いセッションをこなしてきた証でもありますな。
途中、おなじみのコール&レスポンスでお客もホットになるものの、
客がリズムを取っているクラップと一緒にどう演奏を終わらせるかタイミング
を計るrad.がそこにいるというのが、こちらも多少緊張する瞬間だった。
その他、ラテン・フレーヴァーが溢れるチューンで、いぶし銀的鍵盤の
インタープレイも交えてくれ、数曲披露し拍手喝采で無事終了した。


30分のミニ・ライブの後、嬉しいことにサイン会を設けてくれたrad.。
デビューアルバム(92年)とヒットした2枚目(93年)を持っていきましたが、
Wowとか言って、驚いてましたな。周りを見ても、初期からのファンはワシの他に
数人だったからでしょうかね(あっ、歳がバレてしまう)。
でも、まぁ、喜んでくれているようで良かったですが・・・。
ライブ中のMCの様子から思っていたのだが、彼女、話をしてみても非常に感じの良い方で、
尚且つ、やる気が全身にみなぎっていましたよ。
「新しいCD買ってくれた?今夜のライブは来てくれるの?きっとよ、きっと!!」などなど、
相手がこんな感じなので、とりあえず、かなり早口で言いたいことは伝えました。
で、気が付くとそばにスーツ姿のアメリカ人男性が。実は演奏中から気になっていたのだが、
正体が判明しました。彼女いわく、夫でプロデューサーということです。なるほど、どうりで。


そして、画像にもある、デビューアルバム「radified」。
よく見てみると、なんと彼女があの、有名なチェア「ボール・チェア」に
腰掛けて、いや中に入って逆さまにこちらを見ているではあ〜りませんか?
ちなみに、ジャケットをひっくり返すと、チェアの後ろ側がもれなく見られます。
ん〜、なかなかサービスの良いアートワークになっておるね〜。
そういや、去年のフィンランド・カフェにドンと展示されてありましたなぁ。
以前に目黒通りのインテリア・ショップで文字通り潜り込んだことがありますが、
身体をすっぽり収めると、周囲の音もシャットアウトできるし、不思議と安心感が
芽生えてくる訳で、自分の世界に没頭したりするには最適のデザインされた空間
だということが体験できますよ。
しかし、フィンランド人、エール・アールニオ氏のデザイン・チェアが
ファンク界をすでに席巻していたとは意外や意外でした(嘘です!)。


http://www.youtube.com/watch?v=cmycqSympkY&mode=related&search=


http://www.youtube.com/watch?v=piEaPfsFA8E&mode=related&search=






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