なんと「民藝」のあの方も絶賛していた!

日本民藝館



民衆的工藝(略して「民藝」)の指導者である柳宗悦氏。
氏の旧私邸(昭和11年造)の復元工事が今年5月に
完成されたということで駒場東大前・日本民藝館
を訪れた。民藝館の向かいに旧柳邸があり、
概観は長屋の2階建てで、
屋根は瓦造りの超和風な家屋だった。


小冊子「民藝」2006年7月号によると、様式は伝統的な
日本の農家から発展した都市型の住宅で、当時の新らし味
を持って生まれた文化住宅と呼ばれたものの範疇に入ると書いてある。
細かい部分はわからないが、木造独特の漂うあのにおい、
歩くときしむ床の音など、非常に昔懐かしい想いがした。
どの部屋にいても南北に窓があって風通りが良い間取り、
昭和初期の頃から間接照明の技を取り入れていたことには驚愕。
引き戸のデザインまで細部にまでこだわっており、素晴らしい。
家具はイギリスのアンティークを採用しているが、全体的に
和洋折衷にありがちなベタくささはまったくなく、
昭和初期の文化遺産と言われているのも当然のことです。
あまり家には興味なかったが、こんな家だったら住みたいね。


そして、向かいの柳宗理氏が館長である日本民藝館だが
李朝人間国宝となっている作家のコレクションが多数展示され、
ゆっくり見るとゆうに2時間はかかってしまうだろう。
ほとんどの作品を初めて目にするものだったので、非常に興味深かった。
もう一度、訪れたい場所のひとつになった。


そして、驚いたのがショップでのことだった。
いろいろ物色していると、小冊子「民藝」の
バックナンバー記事に見慣れた土瓶を発見。
これは、アラビア窯・ウラ・プロコペ姐御のデザインである
Ruskaシリーズのポットではないか!
柳宗理氏によると、「普段使いで土瓶以外に皿やコーヒー碗など
を使っており、この陶器で、皆様にご馳走したい念に駆られる
ほど素晴らしいものであることは確かです」と言い切っている。


ワシもRuskaシリーズの備前焼きのような質感が好みで、
コーヒーポット、カップ&ソーサー、マグカップ、プレート各種
を愛用しているが、デザイン、そしてあのカップとソーサーが
「擦れる音」がたまらない。きっと嫌な方もいるとは思うが・・・。


この小冊子は、昭和61年の号ものなので、当時から
フィンランド・アラビア窯は認められていたんですな。
やはりいいものは時代を超えて生き続けていくようですな。


日本民藝館創設70周年記念特別展
民藝運動の巨匠」
平成18年7月4日(火)−9月24日(日)


参考までに、実は以前に書いたブログと関連していました。
2005-04-24 - ★北欧関連ネタ、不定期更新中。*Barulho de Grande Olhos