Chet本を読んでみて
ここ数日で一気に読了。
どちらも内容がかぶっている部分もあるが、
いわゆるチェットの大げさな逸話の真相
については疑問に残る点も多し。
あえて、プライベートな部分は触れないでおきます。
しかし、チェットという人間はどうしてもルックスばかりが
目立ち、磁石のように引き付けられしまうが、
改めて類稀な紛れもない天才アーティストなのは疑う余地のないところだね。
マイルスに間違いなく影響を受けた語っているが、
彼同様、リズムのセンスが抜群に良い。
気が付けば、これまでほぼブラックのジャズメンばかり聴いてきたが、
やっとチェットの真の音楽的な素晴らしさを感じ取り、
理解できるようになってきたこの頃な訳で。
主にヨーロッパで活動してきたチェットだが、
北欧では、50年代から、スウェーデン(ストックホルム、ヨーテボリ他)、
デンマーク(コペンハーゲン他)、ノルウェー(オスロ他)でプレイしてきた。
特にコペンハーゲンでは、70年代まで存在したJAZZHUS MONTMARTRE
(現在はCopenhagen JAZZHOUSEと改名し移転)を拠点に活動していたようだ。
ここは当時、ビル・エバンス、デクスター・ゴードンなどが根城として
活動していた有名なクラブ。昨年、機会があって訪れることができたが、
決して広くないそのステージは何か不思議と秘めたパワーというか、
すさまじいプレイが繰り広げられてきたことが感じ取られたなぁ。
コペンハーゲンのSteeplechaseレーベル、
ストックホルムのSonetレーベルからCDがリリースされている。
生涯の最高傑作とも言われている「in Tokyo」
(87年、昭和女子大・人見記念講堂)
でのチェットは力強く、素晴らしい表現力です。
特にMy Funny Valentineのプレイは凄い。
共演者も多く、珍しいところでは、
アストラッド・ジルベルトのアルバムにも参加しています。
ジョアン・ジルベルトがチェットの歌い方から
ヒントを得て、あのような囁くようなスタイルになったのは
有名な話ですが、やはりアストラッドは縁みたいものを感じていたようです。
ワシのチェット体験は、50年代ではなく、
80年代のアルバム「Cool Cat」だったと思います。
ジャケットのしわの深い顔に一瞬びっくりしましたが、
演奏には特に感じなかったのが印象です。
チェットといえば、50年代の作品が印象的ですが、
70,80年代の作品も聴いてみることをお勧めします。
中には出来、不出来の激しいアルバムがありますが、
その状態を感じながらもチェットに少しずつ近づくことができるってものです。
現代図書 (2005/10)
しみじみと