祝!来日。Jukka Eskola
−フィンランディア・グルーヴ
今年のFinland Cafe 2005に初来日することが決定!
The Five Corners Quintetでの参加(Mark Murphyも参加しているね)
のほか、NuSpirit Helsinki、Jimi Tenor(2002年4月来日していたようだ)、
Gerardo Frisinaに参加している。
Jukka Eskolaサンプル音源
Jukka Eskola(ユッカ・エスコラ/tp,flh)のソロ・アルバム。
サウンド自体には特に大きく目新しさを感じないが、
60〜70年代のドナルド・バードやフレディ・ハバード、トム・ブラウンが
演っていたようなファンキー・ジャズ。また当時頻繁に持ち込まれていた
ラテン・フレーヴァーを独自のスタイルですっきり消化している。
今はこういう音を時代が求めているんですな。
ほんとユッカのプレイスタイルがバードやハバードに良く似ているなぁ。
今のイディオムでいうとスムース・ジャズ、レア・グルーヴ、クラブミュージックですか。
Jazzの持つアドリブ性とファンキーサウンドがうまく融合したグルーヴで、
ホーンアンサンブルが良し。ユッカのペットのクールネスに対して、
サックスのプレイはホットというか、むしろ熱過ぎるくらいなので、
ペットとのコントラストが絶妙やね。
<データ>
M1:「INTRODUCTION」/幻想的な雰囲気のプレリュード。
これまた作りがかなり凝っている。
「さあ、素晴らしく、かなりヒップで、楽しませてくれるトランペッター、
素晴らしいパフォーマーを紹介します。Ladies & Gentlemen。大きな拍手でお迎えください。
本当の、本当の素晴らしいを演奏をしてくれます。トランペットはとてもいいですよ
・・・(以下、省略)」。
サンプラー(おそらくネタになっている人も有名だ。ハンコックに似ている声もあり)
のコラージュで登場までのストーリーを構築している。
これはDJの手腕による部分が大きく占めた堂々としたトラックだ。
M2:「1974」・「続きを聴きたい方」/競馬じゃないが、これが一番人気か。
ノリ心地の良さではブッチギリだろう。
最初のメロディにローズピアノを採用しているのがバッチリはまるサウンドで、
ホーンへと引き継がれ、徐々に盛り上がってくる構成。
リズムが出たり入ったりするのも飽きさせないね。
全体のサウンドを支えている鍵になっているインストゥルメントは、
ツボを押さえたプレイのJukkis Uotila(本職はDr)のRhodes(ローズピアノ)、
そして何よりも、jukkaのトランペットではなく、フリューゲルホーンだ。
この楽器だからこそ、付けられる柔らかいニュアンス。
料理で言えば、最も大事な良い出汁が出ている感じですか。
12インチでリリースされているのも頷ける。
M3:「KURO」/ハンコックの「Watermelon Man」を踏襲している
であろう構成になっているチューン。
M4:「GO TIME」/このプレイスタイルは70年代マイルスではないか。
M5:BUTTERCUP/ルバートで始まるイントロが真っ先に
ヘルシンキ郊外の素朴な風景を思い起こさせた。
計算された展開と全体のリズムアレンジが抜群でポイントが高い。
またリズムセクションが一瞬音を抜くことによって
タメを創っており、ここがある意味聞かせどころでもあるね。
ホーンフレーズはフリューゲルホーン、フルート&テナーサックスで
気持ちよくブレンドされたハーモニーだ。途中、フィンガースナップも
楽器として取り入れられ、アイデアも豊富。
12インチも発売されているようだが、こういう曲はDJが使いやすいのだろうね。
M6:「TIMBER UP」/ミドルテンポの骨太なファンキーミュージック。
いや〜、男だね。とても潔い。中音域のストレートなホーンフレーズも説得力があるね。
途中、展開するとバックでストリングスが使われているところが、
70年代の一連のハンコック作品を彷彿させる。ローズなんてまさにハンコックじゃないの〜。
M7:「SELIM」/Milesを逆さにしたタイトルという事だ。
いきなりフェードインして聞こえてくるところが、唐突すぎて斬新だ。
ペットがホント晩年の枯れたマイルスのような音だ。
どことなく終わりがもの悲しさを感じる。マイルスへのトリビュート曲か。
マイルスを見習い、多くを語らず、ショートトラックになっているのが伺える。
M8:「DUUDAMDEJ」/イントロのホーンのハーモニーの重ね方がフェラ・クティのようだ。
それにシンバル、タム、コンが、ボンゴのプレイがプリミティブで良い。
ローズの音色調整、ハーモ二ーがすっきりしている。
ベースはエレクトリックだ。野太いベース音がビンビン。
おそらく5弦だろう。自由奔放に暴れまわっているのが気に入ったねぇ。
メロディがどこかアジアンテイストを感じさせる。
これなんか、ペット・ソロがおっ、ドナルド・バードだねと思ったら、
あれ〜途中からトム・ブラウンみたいでかなり気合いが入っているぞ。
ひとえに音の割れ具合が物語っている。
M9:「LAST BREATH」/ローズのトレモロのかかり具合が気持ちよい。
エンハンサーやリヴァーブ、他エフェクター、オーヴァーダビング
を駆使して、フリューゲルホーンの存在感を大胆にアピール。
トラックダウンに一番苦労したのではないかな。
M10:「KURO」(studio live.take4)/ボーナストラック(日本盤)。
スタジオライヴ。リラックスして思いのゆくまま、伸び伸びプレイしている
のが伝わってくる。こういうライヴになるかと思うと嬉しくなるね。
それにしてもわざわざtake 4って記載されているのが気になる。
こんな表記されたら、他のtakeも聴いてみたくなるだろうが。
何take録音したかは、直接、Jukkaに尋ねてみよう。
レコーディングはヘルシンキのFinnvoxというスタジオ。
1965年、当時フィンランドで初の本格的で
プロフェッショナルなスタジオとしてオープン。
このアルバムのレコーディングはおそらくこのスタジオBで間違いないだろう。
上記ページの左下段の画像とCDのライナーノーツの画像が一致する。
場所を調べてみたが、ヘルシンキ中心部より北西へ10kmほどの郊外に位置するようだ。
中心部から行くと、途中、オペラ劇場やオリンピックスタジアム
などが眺められ、自然豊かで風光明媚な通りなので、
春に訪れた「あの時」を思い起こしながら聴くとまた違って聴こえてくる。
噛めば、噛むほど、味の出てくるスルメのようなアルバムだ。
ライヴの模様は後日アップする予定。
参考:■Jukka Eskola ALBUM Sample
■Finland Cafe 2005
■FREE AGENT RECORDS
<追加ライヴ情報>
Jukka Eskola Group Live at Club IKSPIARI(11/1)
■The Five Corners Quintet
Bonus Trackに違いがあり。
●国内盤
継承されていくJazz
いわゆる北欧系クラブジャズの2005年時点の最新モード
●輸入盤
ちなみに、バンド名にもなっている、Five Cornersとはココ
から、viiskulmaで検索。
確かに5つの通り(コーナー)がありますな。ん〜、いい構図。稀有な場所だ。
ヘルシンキの南部、フレデリック通りをずっと下った辺りだね。
ちなみに今年の世界陸上マラソンコースでは途中で
右折してしまったので、見られなかったが・・・。
■Jukkis Uotila
Jukkis教授、本職はドラムだが、キーボードでのアルバム。
ニュアンスの付け方が、まるでハンコック。素晴らしいっす。
Double-Time (2000/08/22)
売り上げランキング: 291,564
こちらが本職ドラムでのアルバム。
まだ、聞いておらず。